ウェブサイトのリニューアル with Squarespace
創業10周年を機に
2025年、Anchorstarは創業から10年を迎えます。
この節目に合わせて、ウェブサイトもまた、少し新しいリズムを刻み始めました。
それは、大がかりな刷新というよりも、日々の呼吸を取り戻すようなリニューアル。
「変えられること」を前提とした、軽やかな設計への転換でした。
「本来あるべき情報」がないウェブサイト
2021年9月に公開した旧ウェブサイトは、WordPressで構築されたものでした。
企業のウェブサイトといえば、会社概要、サービス、実績、ミッションといった項目が並ぶのが一般的ですが、Anchorstarはその形式にあえて乗りませんでした。
理由はシンプルです。
Anchorstarがやっていることは、日々変わっていく。定まらない。どこか「流動体」のような組織にとって、固定的な情報を載せること自体が、むしろ不誠実に思えたのです。
だからこそ、「疑似体験」という名のブログ記事を通じて活動を伝え、全体像を「読むように」知ってもらうウェブサイトを目指しました。
ウェブサイト制作はプロに任せ、理想のデザインをかたちにしてもらいました。結果として、多くの方が「何をしている会社かはよく分からないけれど、なぜか気になる」と言ってくださいました。
変えにくいサイトの息苦しさ
ただ、そんな「理想の器」にも限界がありました。
WordPressは自由度が高い一方で、変更には専門知識が必要で、ページを足すにも、デザインを変えるにも、制作者の力を借りなければなりませんでした。
やがて、ジャーナルの更新頻度は下がり、「書かなきゃ」というプレッシャーだけが残っていきました。
完璧なものを出そうとするたびに、手が止まっていく。そうして、発信が少しずつ止まっていく。
気がつけば、ウェブサイトそのものが「なかなか重いもの」になっていました。
Gretelと、Squarespaceと、わたしたち
2025年、もう一度ウェブサイトと向き合うにあたって、最初に考えたのは「自分たちで育てられるサイト」にすることでした。
リサーチを重ねるなかで出会ったのが、Squarespace。
実は、私たちが長年尊敬し、共にプロジェクトも手がけてきたニューヨークのデザインスタジオ、GretelもSquarespaceを活用していたのです。
「いつかGretelのようなサイトを作りたい」と思っていた私たちにとって、それは静かに背中を押す出来事でした。
Squarespaceは、誰にでも使える直感的なUIを持ちながら、美しく、そしてシンプルな構成を実現できます。コードも不要。ポチポチと画面を触るだけで、想像通りのデザインが仕上がっていくのです。
設計しない自由
これまでのウェブサイト制作では、サイト構成を事前に練り上げ、途中で変えないことが前提でした。
でも、Squarespaceでは違います。途中でページを増やしても、ナビゲーションをいじっても、ヘッダーを入れ替えても、バグらない。失敗しても、すぐに戻せる。
まるでスケッチブックに描くように、ブラウザの中で思考しながら、触りながら、構成を「感じて決める」ことができる。
そして作業は、外には見せない仮ドメインで。
公開前から実際のスマホで動作確認しながら、じっくりとウェブサイトを育てていくこの時間は、とても穏やかで、充実したものでした。
「みんなで書けるジャーナル」へ
リニューアル後のウェブサイトは、社員全員が編集に参加できる設計になりました。
ずっと研究してきた、AIの力も借りながら、もっと気軽にジャーナルを書けるように。もっと頻繁に、Anchorstarの「いま」を伝えていけるように。
そして、創業から10年を経て、ようやく紹介できるようになった実績や会社概要も、少しずつ形にしていきます。
でも、何よりうれしいのは、「サイトを更新することが楽しくなった」という変化です。
変化を前提とするこの器は、私たちAnchorstarそのもののようにも思えます。
あとがきにかえて
完璧である必要はない。
完成しきっていないことを、怖がらなくていい。
Squarespaceと出会って、そんな気持ちにさせてもらえたのが、何よりの収穫だったかもしれません。